子犬を迎えたものの何に注意すれば良いのかわからない。そんな人は多いはず。子犬を迎えてから最初の12カ月までに注意すべきことを説明します。
生後3か月までの注意
生後3か月頃までは新しい家に慣れて健康の基礎を作る時期です。
子犬の仕事は寝ること
子犬がかわいいから抱いたり触ってばかりでは子犬にとって大きなストレスです。子犬は起きているときは、活動して周囲の情報を収集しています。そして疲れると寝ます。
飼い主は子犬の活動を見守ってあげましょう。
社会化はワクチン後に
子犬の時期は人や環境に慣れる社会化の時期です。しかし子犬を迎えてすぐに人混みに連れて行ったりしてはいけません。
ワクチン接種を済ませてからが本格的な社会化です。シャンプーはワクチン後まで我慢しましょう。ワクチン直後は体調変化にも注意をして観察します。
気になることがあれば迷わずに獣医師へ相談しましょう。
社会化を急ぎ過ぎると、ストレスが体調に影響する子犬もいます。ゆっくり段階的に経験させるべきです。
日常のケアを習慣化
爪切りや耳そうじは一生涯続くケアです。子犬の時期から慣れるようにしないと後々苦労します。体を触られても嫌がらない犬にしましょう。
犬の性格は個体差があります。慣れるまで時間がかかる犬もいます。愛犬の性格を理解しましょう。
怪我に注意
子犬は怖いもの知らずで全力で遊びまわります。怪我には注意しなければなりません。
股関節形成不全や関節トラブル
大型犬の代表的な疾病です。遺伝的な要因もありますが、飼い主の無知による場合もあります。注意しましょう。
- 滑りやすい床は避ける。フローリングの床なら子犬の遊び場は絨毯を敷くべき。
- 過度な運動はさせない。階段ジャンプなど厳禁。
- フードはパピー用を与えます。成犬用は高カロリーで肥満の原因になります。
周囲の「物」に注意
好奇心旺盛な子犬は、あちこちに頭を突っ込んだりします。成犬では気にならないような「隙間」に挟まったりします。前脚の指を挟んだりすることが意外に多いものです。
指が変形したりするような怪我もあります。サークルフェンスを使っている場合は、安全対策を忘れずに。
歯の健康(乳歯の残存)
子犬は6カ月頃までに乳歯が自然に抜けます。抜けない場合は獣医師に相談しましょう。
子犬は何でも噛みます。家具やテーブルの脚などがボロボロにされないよう注意が必要です。
周囲に噛むおもちゃを置いて、子犬がおもちゃで遊んでいれば自然な歯の生え変わりを促進できます。また、噛むことによりストレスもなくなります。
注意すべき病気
犬種にもよりますが注意すべき病気があります。
胃捻転
胃捻転(胃拡張・胃捻転症候群)は大型犬特有の病気とも言えます。
- 食器の高さを調節して自然な姿勢で食べさせる。
- 1日数回に分けて食事を与える。
- 食後すぐに激しく遊ばせない。
予防的な処置として胃固定手術を勧める獣医師もいます。
特定犬種の病気
一部の大型犬種(例えばグレートデンやドーベルマン)は心臓病のリスクがあります。
定期的な健康診断を受けて早期発見を心がけましょう。
早期の避妊・去勢の是非
避妊や去勢の時期については、成長板の閉鎖後に行うことが推奨されています。
成長板と手術の関係
成長板とは骨が成長するのに役割を果たす軟骨組織です。成長板が閉鎖されると骨の成長が止まります。大型犬は成長が遅いので、性ホルモンが骨や関節の発達に影響を及ぼす期間が長くなります。
あまり早く去勢・避妊手術をすると、関節異常などの発症リスクやリンパ腫などの発症リスクも高まる可能性があると言われています。
犬種による違い
シベリアンハスキーのような大型犬はゆっくり成長します。1歳半以降に手術を行うことが推奨されることもあります。
ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーのような大型犬は1歳以降に手術を検討するのが良いとされてます。
大型犬は、犬種によって手術の推奨される時期が異なります。
獣医師との相談
一般的には、大型犬は9カ月から15カ月頃まで手術を遅らせたほうが良いとされています。犬種によって適した時期が異なりますので、獣医師と相談して決めるのが良いでしょう。
まとめ
生後12カ月までの時期が愛犬の一生の土台になります。大きくなる犬だからこそ丁寧に育てなければなりません。
- 社会化を始めるのはワクチン接種後。
- 体を触られることを嫌がらない犬に育てる。
- 関節の成長のために滑らない床にする。
- フードはパピー用のものを与える。
- 大型犬の診療経験のある獣医師のアドバイスを受ける。
- 去勢・避妊手術の時期も獣医師と相談。