子犬を家に迎えた日から、トイレのしつけが始まります。なんとなく自己流で失敗している人も少なくありません。このマニュアルを読めばスムーズにトイレを教える方法を理解できます。
室内トイレの教えかた
子犬を迎えた日から教えることがトイレです。簡単な手順を知れば難しくはありません。以下の説明を読めば理解できます。
室内トイレの設置場所
最初のトイレの場所は、子犬の居場所(寝床)の近くで、子犬の居場所から障害物がなく直線で行ける場所がよいでしょう。トイレに慣れたら少し遠くへ移動できます。
以下のことに注意が必要です。
- 場所を決めたら子犬が学習するまで移動しない(犬が混乱します)。
- 子犬が落ち着ける静かな場所、人間が邪魔しない場所。
用意するもの
何が必要か再確認します。
- トイレトレー:できるだけ大きなサイズを探しましょう。長辺が1m以上が理想ですが、販売されているものは1m程度が最大のようです。自作する方法もあります。
- トイレシート:大型サイズのもので、吸収力の高いものが理想です。2枚を同時に使用するような工夫が必要かもしれません。
- ご褒美:しつけ法によっては、おやつのご褒美を使うことがあります。筆者は必ずしも必要とは考えていません。
- 消臭スプレー:子犬が失敗したときに使います。
具体的な手順
一般的な手順を紹介します。
Step1:食事の後や、起きた後にトイレへ連れて行く。
- 排泄しそうなタイミングにトイレへ誘導します。
- 「トイレ」や「ワンツー」のように同じ言葉をかけると効果的。
- 子犬の様子に注意する(ソワソワしたりクンクンしたり)。
Step2:上手にできたら(成功したら)褒める。
- 排泄した瞬間に「いい子だね」のような声をかけて褒める、撫でる。
- タイミングは、出た直後です。
- 褒めると同時に、ご褒美(おやつ)をあげるという方法もあります。筆者は必要とは思いません。
Step3:失敗しても大騒ぎしない。
- 大声を出したり、叱ったり叩くなどの罰は厳禁。子犬が排泄を我慢するようになります。
- 騒がずに静かに片付けて、消臭スプレーで臭いを消します(再発防止)。
Step4:繰り返し教える
- 根気よく続けることが基本。1~2週間で定着します。
- 成功回数を重ねれば「トイレの場所」を理解します。
学習が成功すると、子犬は自らトイレに行って排泄するようになります。排泄の後には、褒めることを続けてください。そのうち子犬のほうから、飼い主を見て「褒めて」という表情を見せるかもしれません。
応用ステップ
慣れてきたら、少しずつ移動して最適な場所に設置しましょう。子犬が少し成長したら室外にも移動できます。マンションのベランダに移動することもできます。
失敗例と対処法
1.トイレの外で排泄してしまう
原因は2つ考えられます。前回失敗したときの消臭が不十分で、残った臭いの場所にしてしまったケースがあります。消臭スプレーを使って完全に臭いを消しましょう。
トイレへ行く途中でしてしまうことも考えられます。これは間に合わなかった結果です。飼い主が子犬のトイレタイミングを見逃した結果でしょう。起床時や食後などにはトイレへ必ず連れて行けば、子犬もトイレとタイミングを学習します。
2.トイレをかじる・遊ぶ・破壊する
子犬はなんでも噛みます。トイレもおもちゃも区別がありません。対策としては、噛めるおもちゃをたくさん用意してあげることです。
屋外トイレに切り替える
大型犬のトイレは面積が大きいので、犬の成長にあわせて室外へ移動しましょう。これからは、飼い主からトイレへ行きなさいと言われたときだけ排泄する生活になります。
前提条件
- 室内トイレのタイミングをコントロールできる。
- 犬が成長して、長時間の排泄を我慢できる体力がある。
- 「トイレ」や「ワンツー」というコマンドを理解している。
切り替え手順
基本は室内トイレと同じです。トイレは、室内トイレを外に出して使用する方法と、外に新しくトイレを作る方法があります。
Step1:毎日決まったタイミングで、外のトイレへ連れて行く。
- 朝の起床後、昼、夕方、就寝前の4回が最適。
- 「トイレ」という言葉をかけながら誘導する。
Step2:排泄したら、褒める。
- ご褒美におやつという方法もあるが、褒めるだけで十分。
Step3:排泄したらすぐに室内へ戻る。
- 遊びの外出と、トイレの外出を区別する。
室外トイレでウンチもするようになれば、散歩中のマーキングもさせないような次のステップへも進めます。ただし、マーキングを制御するのは高度なしつけが必要です。
注意点として、犬種によっては成犬になるまでに下痢をしやすいことがあります。犬は我慢できないことを飼い主に必ず知らせます。予定外のタイミングでも犬の知らせを見逃さないようにして、外のトイレへ連れて行ってください。
失敗と対処
切り替えたトイレが新設したものだと、排泄しないことがあります。これまでのトイレトレーをトイレと認識しているのが原因でしょう。切り替え時だけは室内トイレを外に移動して使用するとよいかもしれません。
臭いで認識することもあります。外のトイレに最初は、臭いの付いたトイレシートを置いてみたり、臭いの付いたシートを擦りつけるとよいかもしれません。
「トイレ」や「ワンツー」のようなコマンドを理解していれば切り替えがスムーズです。
切り替えの時期
大型犬が成犬まで成長する時間は犬種によって異なります。成長が遅い犬種は2歳ですが、1歳前後なら排泄を我慢できると思われます。
室内トイレのうちに、徐々に試しながら判断してください。
切り替えの効果
完全にトイレコントロールができるようになれば生活が大きく変わります。
- 同じ部屋で一緒に寝ることができる。
- トイレの面積だけ、部屋が広くなる。
- サークルやフェンスが必要なくなる(ただし、犬の破壊行為には別のしつけが必要です)。
まとめ
子犬のトイレは1週間以内で覚えるでしょう。
- 子犬を大声で叱っても、子犬は学習しません。
- 褒めるときは、声だけでなく体も触りましょう。
- 体調が悪いと、トイレに影響します。注意を忘れずに。
トイレは一度覚えてしまえば、生涯忘れません。その後は楽しい生活だけです。
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