犬の死(死期)が近づいたら準備すること、ペットロスにならないために

老犬の時期

大型犬の寿命は以前は10年と言われていたものですが、最近では食事を含めたすべての環境が良くなっているので10~12年位に延びているようです。望まなくても愛犬との別れは必ず訪れます。

避けられない愛犬の死を受け止めて、しっかり準備をすることも大切なことです。

犬の死の兆候

健康に過ごしてきた犬であれば死期が迫っているサインがあります。

足腰が弱くなる

老犬になればヨタヨタ歩くようになりますが、急に歩行が困難になります。特に後ろ足が弱って歩きにくい状態になります。もしくは歩けなくなります。これは病気ではなく「サイン」です。

食欲がなくなる

突然、食欲がなくなります。まったく食べようとしなくなります。これも「サイン」です。これは内臓が急激に弱くなり、消化能力がなくなっている状態です。

下痢が続く

下痢が続きます。たとえ食事をしなくても下痢が続きます。食欲がなくなる前に下痢が始まる犬もいるようです。

この下痢は、内臓が衰えていることが原因ですから、動物病院に連れて行っても治療できません。下痢は最期まで続くことがあります。腸内で死滅した細菌類が排泄されるからです。

介護

死期が近づいている状態なので延命ほ方法はありません。最大限の介護をしましょう。介護期間は犬によって違いがあるようです。筆者の周辺では数日~10日位です。

病院へ連れて行く

病院に連れて行くこともできますが、状態がよくなることはありません。栄養剤の点滴も、犬の消化能力がなくなっているので意味がないことになります。

部屋を介護室にする

動けなくなるでしょうから、部屋の一部にトイレシートのようなものを敷いて介護部屋にしましょう。

  • 食事は食べなくても一応準備をする
  • 水は常に飲めるようにする
  • 犬だけの留守番をさせない、家族が常に付き添う
  • 歩行困難なら「オムツ」を考える

オムツは大型犬用のものは市販されていません。シートを敷けば必要ないかもしれません。筆者の経験では、人間の介護用オムツに尻尾穴をあけて履かせたことがあります。

介護中は、犬の肛門周辺の被毛をバリカンやはさみでカットして介護をしやすくした人もいます。

最期のとき

水も飲めなくなってしまったら覚悟しましょう。最後は動けなくなり横になったまま呼吸が不規則になります。犬によっては痙攣するような動きもあります。この状態になれば飼い主として側にいて声をかけてあげましょう。そして最期を看取ってあげましょう。

犬は目を開けて死にます。最後を看取ってあげたら死後硬直が始まらないうちに目を閉じてあげましょう。犬の瞼は人間と少し違うので上下から指で挟んで目を閉じてあげましょう。しばらく押さえていると閉じたままになります。

犬が死んだらすること

死んでしまったら、人間と同じように死体を適切に処理しなければなりません。

埋葬する

犬は法律上は「物」なので必ずしもお墓に埋葬する必要はありません。

私有地であれば、犬をそのまま土に埋めても問題ありません。自分の土地であればそのまま埋葬してお墓を作ることができます。ただし大型犬が土に返るまでは永い時間が必要なのでお勧めしません。火葬してから埋葬することをお勧めします。

火葬する

火葬にはいくつかの方法があるようです。

公営の火葬場

自治体では公営のペット火葬場を設置しています。受付手続は事前に確認する必要があります。

  • 事前の予約が必要
  • 規定に合った箱に入れなければならない
  • 持ち込んでから数日後に遺骨を受け取る場合がある
  • 遺骨を引き取らない集団火葬がある

様々な手続があるようなので、愛犬が死を迎える前に確認してください。

民間の火葬場

民間の火葬場もあります。ペット墓地と一緒に運営されていることが多いようです。ペット墓地を申し込む人なら便利です。

出張火葬

民間業者が火葬設備を積んだ車両で出張してくれるサービスがあるようです。家の前に車両を停めて、2~3時間で火葬ができるようです。ただし、筆者が調べたところでは、小型犬だけのサービスのようです。

さらに悪質業者が多いようです。火葬を始めてから、法外な料金を請求するようです。途中でやめられないので泣き寝入りするようです。

埋葬する

火葬したら埋葬できます。ペット墓地に埋葬したり、お墓は作らない人もいます。自宅の庭に骨を粉砕して埋めてお墓をつくる人もいます。

法律の制限はありませんので、自由に判断してください。

保健所等への届出

最後に、保健所等への死亡届を忘れないでください。

飼い主として事前に準備すること

個体差はあるものの犬の死の兆候は共通します。絶対に必要になるものは事前に準備をしておきましょう。準備は犬の死を望むものではなく、犬に対する最後の愛情です。

棺(棺桶)とドライアイス

民間業者へ火葬から葬儀まで委託するならば必要ないです、火葬場へ犬を持ち込むならば棺に入れなければなりません。燃える素材の箱ならば何でも良いのかもしれませんが、一般的には段ボール製の棺が使われます。普通の段ボール箱でも受け付けしてもらえますが底が抜けないような構造の箱でなければなりません。

大型犬の棺はペットショップでも販売していないことも多いので事前に探しておきましょう。

また火葬場へ、すぐに持ち込めないこともあります。火葬場の事情によっては1日~2日位自宅で安置しなければならないことがあります。

その場合には犬の死体の腐敗を遅らせるためにドライアイスが必要になります。小さなものでなく5kgとか6kgのような大きなブロック状のものが必要です。これは業務用のサイズなので製氷業者のような専門の業者でなければ購入できません。

最近ではペット葬儀用のドライアイスを販売する業者がありますので事前に探しておきましょう。

その他に必要なもの

必要なのかわかりませんが、食欲がなくなったときに水を飲ませるのに「スポイト」が便利です。注射器のようなスポイトがあります。水も与えることができます。

ペットロスにならないために

誰でも一緒に暮らした家族が死んでしまえば、どうしようもなく悲しくなります。少しでもペットロスにならないためには犬が死亡するまでに、飼い主ができるだけのことをしてあげましょう。

24時間介護

犬のサインを感じたら24時間介護をしましょう。仕事を休んで一緒にいましょう。犬だって自分の体の変化に不安です。家族が一緒にいて安心させてあげましょう。

散歩する

歩けなくなっても、犬は外へ出て遊びたいと思っています。ホームセンターで大きな台車を購入して、台車に乗せれば散歩ができます。お馴染みの人や犬に最後の挨拶ができます。

台車は3日しか使えないかもしれませんが犬にとっても飼い主にとっても意義のある3日ではないでしょうか。

やれるだけのことは全部やったと言えるような世話をすれば、愛犬の死を受け入れられるかもしれません。

まとめ

悲しいことですが避けられないことでもありますので、飼い主の責任として見送ってあげましょう。部屋のどこかに愛犬の写真を置いて、毎日水をあげましょう。毎日会話をして、天国でまた会おうと言ってあげましょう。そうすれば犬も天国で待っていてくれるでしょう。

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