子犬のしつけ

子犬の時期のしつけは、オテとかオスワリができることではなく人間社会に順応することです。人間に触られても嫌がらないことや、他の犬と仲良く遊べる犬になることです。それは大袈裟に言えば犬の本能的な行動をしなくなることです。

本能的な行動としてわかりやすいのは狩猟本能です。動いているものを捕まえようとしたりします。オートバイや自動車などに吠えたり、飛び掛かろうとするのも狩猟本能の心理でもあります。また食事やおやつを前にして「マテ」と言って我慢させたりする人がいますが、この時に犬が待つ心理は狩猟本能の心理です。つまり犬は食事やおやつを獲得する手段として「待つこと」を覚えます。これが狩猟本能の心理です。もし何も食べたくない時は犬は待ちませんし、食べません。もし食事やおやつが置いてなければ、犬は待たないでしょう。従う理由がありません。オスワリと言っておやつをあげるのも同じことです。おやつが欲しくなければオスワリしません。

このように犬の行動を制御することだけをしつけ法と勘違いしている人が多いです。また世間のしつけに関する書籍や出版物は圧倒的にこのような内容が多いものです。犬に芸を教えるなら有効な方法のひとつですが、本来なら人間がオスワリを命じれば、犬はおやつなどなくても座ることがしつけです。

犬種別に、この犬は飼いやすいとか初心者は無理だとか書いてある本やウェブサイトが数多くありますが、どんなに穏やかな犬種でも問題犬はいます。簡単に言うと「ハズレ」はどこかで必ずあります。子犬を見ただけでは「ハズレ」を判断できません。

ハズレの犬?

「ハズレ」とは犬としての本能が強い犬で、本当は犬らしい犬なのです。犬が犬らしい行動をすると人間社会では迷惑になります。わが家の犬もハズレでした。支配性の本能が強く、狩猟本能も強く、他の犬を見ると威嚇するような犬でした。

しかしハズレでも飼主はがんばって人間社会に順応するよう教えなければなりません。訓練所に預けてはダメです。訓練士にだけ従う犬になります。仮に訓練所に預けて命令に従う犬になって戻ってきたとしても、室内で穏やかに暮らせる犬にはなりません。「命令に従う犬」と「穏やかに人に従う犬」とは必ずしも一緒ではありません。

「ハズレ」は子犬の時期ではわからないかもしれません。逆に考えれば5か月頃までに穏やかな犬にしてしまえば良いのですが、思い通りにならないのがしつけです。

個人的には、森田誠さんが考えた森田式のしつけ法をお奨めします。この森田さんのしつけは、人に好かれる犬にするには最適な方法で、他のしつけ方とは全く考え方が異なります。これまでのしつけ方が犬に我慢をさせてご褒美をあげたりという、我慢を持続させるしつけ方でしたが、森田式は人間に従うことを喜びに感じる犬を育てるという考え方です。犬の思考を変えてしまうのです。

例えばこれまでのしつけ法では「待て」といえばどれだけ長い時間動かないで我慢できるかということですが、森田式は「待て」という命令に従うことに喜びを感じるようになるので長い時間待てるようになります。待つことが楽しくてしょうがない犬になるのです。その方法はここで簡単には説明できませんが、一言で言えば、オモチャやオヤツで誘導するのではなく人間の愛情で包み込んでしまうイメージです。

私も森田式の理論を理解するのに時間がかかってしまいましたが、わが家の犬も森田式でだいぶ普通の犬に近づいたと思います。少なくとも人間に対して攻撃的な行動は一切ありませんので近所の人たちにも可愛がってもらえます。今思えばもっと早く森田式を理解して子犬の時期に始めていれば、もっと良い子にできただろうなと感じます。

私は大型犬でも室内で一緒に暮らすべきだと考えますので、森田式の考え方に共感します。森田式では泥棒にも吠えない犬になりますので、番犬はつくれません。興味のある方はDVDを買ってみてください。

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